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昼に遅くなるのはなぜか、その格安SIMはどの網を借りているか

2026-09-16 更新

電波を出している基地局は大手と同じで、細いのはその先です。どの大手の網を借りているかは各社が自分のサイトに書いていて、その組み合わせも提供の状況も動きます。

電波は同じで、その先が細い

格安SIM で通信するとき、端末と電波をやりとりしているのは大手キャリアの基地局です。そこは大手と契約している人が使っているのとまったく同じ設備です。違うのは、その基地局から先、MVNO の設備につながるところの太さです。

MVNO は、借りる回線の容量をあらかじめ決めて契約しています。総務省の検証資料に出てくるデータ接続料は、10 Mbps あたり月いくら、という単位で示されます。MVNO の側から見ると、借りているのは太さの決まった管です。契約者が何人に増えても、管は勝手に太くなりません。

昼の12時台や夜のある時間に遅くなるのは、この管を大勢が同時に使うからです。端末に届く電波の強さは変わっていなくても、管の中で順番待ちが起きます。同じ場所で同じ時間に大手キャリアの契約者が使っていて同じようには落ちないのは、その人たちがこの管を通っていないからです。

管を太くすれば混み合いは和らぎますが、そのぶん MVNO が払う接続料は増えます。料金と混み合いのつり合いをどこで取るかは、会社ごとに違います。そのあたりは格安SIMはなぜ安いのかに書きました。

どの大手の網を借りているか

MVNO がどの大手の網を借りているかは、総務省の集計には載っていません。載っているのは契約数とシェアまでで、網の組み合わせは各社が自分のサイトで案内しています。

たとえば IIJmio は、利用する通信回線の種類によってタイプD・タイプA・タイプI を提供していると書いています。タイプDは NTTドコモの回線、タイプAは au の回線、タイプI は NTTドコモの回線を使う IIJ のフルMVNO のサービスです(公式のQ&Aで2026年9月16日に確認)。同じ会社の中でも、どの網を通るかは申し込むタイプで変わります。

同じ会社の同じ名前のサービスでも、借りる先が後から増えたり変わったりすることがあります。契約する前に見るとすれば、各社の公式ページのこの説明が一次情報になります。

組み合わせも、提供そのものも動く

OCN モバイル ONE は NTTドコモの網を使う格安SIM ですが、公式サイトには「OCN モバイル ONEおよびSIMカード追加の新規お申込み受付終了について」という案内が出ていて、新しい申し込みは受け付けていません。すでに契約している人のサービスは続いています(2026年9月16日に確認)。網の組み合わせだけでなく、サービスの提供そのものもこうして動きます。この記事に挙げた例も、2026年9月に各社の公式ページで確かめた時点のものです。

街のページの数字とのつながり

本サイトの街ごとのページに並ぶ基地局の数は、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイルの4社が届け出たものです。MVNO は自分の局を持たないので、この一覧に名前は出てきません。格安SIM を使っている人がその街で見ることになるのは、借りている先の会社の欄の数字です。タイプDなら NTTドコモの欄、タイプAなら KDDI の欄、というつながり方になります。

ただし、その欄の数が多いか少ないかは、管の太さとは別の話です。基地局が何局届け出られていても、MVNO が借りている容量が細ければ昼は詰まりますし、その逆もあります。街の数字と昼の速度は、別の場所で決まっています。

出典: 総務省 情報通信審議会 接続政策委員会「モバイル接続料の検証について」(資料84-1、令和6年5月10日、https://www.soumu.go.jp/main_content/000945770.pdf )、IIJmio「タイプD、タイプA、タイプIとはなんですか?【ギガプラン・mioモバイル】」(2026年9月16日閲覧、https://help.iijmio.jp/answer/61136ab3ae05cd001c0e1e26/ )、OCN「OCN モバイル ONE」(2026年9月16日閲覧、https://service.ocn.ne.jp/mobile/ )。

ほかの読みもの

この記事は総務省の公開資料と各社の公表にもとづいて書いています。料金や提供の条件は変わることがあるので、契約の前には各事業者の案内が確かです。