大手3社の実効速度は、こう公表されている
2026-09-16 更新
総務省のガイドラインにそって、計測員が全国10都市の約1,500地点を屋外で測り、箱ひげ図で公表する。その枠組みと、街ごとの数字にはならない理由。
広告の速度と、実際の速度
携帯電話の広告に出てくる「最大〇〇Gbps」は規格のうえでの値で、実際に出る速度とは別のものです。総務省は平成27年7月に「移動系通信事業者が提供するインターネット接続サービスの実効速度計測手法及び利用者への情報提供手法等に関するガイドライン」を定め、各社が同じやり方で測って公表する枠組みを作りました。いま NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクの3社が、自社のサイトで結果を出しています。
どこで、いつ、どう測るか
ガイドラインは計測の手順をかなり細かく決めています。方式は、計測員が現地へ行って測る実地調査です。
計測する都市は、政令指定都市と県庁所在地(東京都特別区を含む)を人口の規模で3つに分け(100万人以上、50万人以上100万人未満、50万人未満)、それぞれの分類から3都市ずつを選び、東京都特別区を加えた合計10都市とされています。
| 決めごと | 内容 |
|---|---|
| 都市 | 10都市(3分類から各3都市+東京都特別区) |
| 地点の選び方 | 500 m 四方のメッシュを、従業者数が多いオフィス街・繁華街と、常住人口が多い住宅街に分けて無作為に選ぶ |
| 地点の数 | 10都市で約300メッシュ、1メッシュあたり5地点、合計およそ1,500地点 |
| 時間帯 | オフィス街・繁華街は正午から午後6時、住宅街は午後3時から午後9時 |
| 測り方 | 屋外で静止した状態、同じ地点で3回測ってその平均 |
| 頻度 | 少なくとも年1回 |
公表のしかたも決まっています。集計には箱ひげ図を使い、全国の全データのうち第1四分位数から第3四分位数まで、つまり中央値に近い半数が収まる幅を実効速度として示すことになっています。各社のサイトに数字が幅で出ているのは、この決めごとによるものです。
この枠組みで分かること、分からないこと
10都市の約1,500地点は、日本全体から見ればサンプルです。ある街の駅前や自宅で何 Mbps 出るか、という問いにこの数字が答えているわけではありません。計測は屋外で静止した状態に限られているので、地下鉄の中や建物の奥、歩いている最中の値も入っていません。
楽天モバイルはこの枠組みに入っていません。総務省のページに結果の公表先として並んでいるのは、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクの3社です。
3社の数字は各社のページで見られます。ここには転載しません。計測の時期も端末も会社ごとに違い、並べて置くと同じ条件で測ったかのように見えてしまうためです。
- NTTドコモ https://www.docomo.ne.jp/area/effective_speed/
- au(KDDI) https://www.au.com/mobile/area/effective-speed/
- ソフトバンク https://www.softbank.jp/mobile/network/service/speed-survey/
本サイトが速度を載せていない理由
本サイトは街ごとのページに通信速度を載せていません。理由は二つあります。一つは、公的な枠組みで測られた実効速度が10都市のサンプルで、1,741市区町村には対応しないことです。もう一つは、民間の計測サービスが集めている速度は地点や利用者の偏りがそのまま出るもので、街どうしを同じ物差しで並べる用途には向かないことです。
街のページにあるのは、届け出られている基地局の数と、光回線の世帯カバー率です。どちらも速度を表す数字ではありません。速さそのものは、この記事にある各社のページと、実際に使う場所での試用が確かな手がかりになります。
出典: 総務省「移動系通信事業者が提供するインターネット接続サービスの実効速度計測手法及び利用者への情報提供手法等に関するガイドライン」(平成27年7月、https://www.soumu.go.jp/main_content/001056443.pdf )、総務省「実効速度計測」(https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/quality_measurement/02kiban04_04000347.html 、2026年9月16日閲覧)。各社の公表ページは本文のとおり。
ほかの読みもの
この記事は総務省の公開資料と各社の公表にもとづいて書いています。料金や提供の条件は変わることがあるので、契約の前には各事業者の案内が確かです。